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開催日時:
京都 3 月13 日(土)10:00〜 JEUGIA 大宮ショップ
東京 3 月14 日(日)10:00〜 東京オペラシティ小リハーサルルーム
申込方法:
アジア ユース オーケストラ設立20周年2010年度オーディションのご案内PDFファイル
第8回を迎えたダブルリード・フェスティヴァルも、皆様のご協力によって無事に終了致しました。コンサートを中心とした全体のレポートは、次号の「パイパーズ」に掲載予定ですので、そちらをご覧頂きたいと思いますが、ここでは吉成会長、似鳥副会長、更に中国からのゲスト、葛克迅(Ke-xun Ge)さんをお迎えして行なわれた座談会から、特に中国のオーボエ事情についてお話し頂いた点をまとめてみました。なお、繩田昌司先生による講演「ダブルリード奏者のミュージシャンハンドについて」を聴講された方で、このページにレポートをアップして下さる方を募集しております。 どなたでも歓迎ですので、原稿をお寄せくだされば幸いです。****************************************
日本以外のアジア諸国では、日本のような「鎖国」がなかった事もあり、意外に早くから西洋音楽が伝わっていましたが、多くは特権階級や在留欧米人だけの間の楽しみでした。早くから国際商業都市として栄えた上海では、外国人居留区(租界)にオーケストラが生まれ、イタリア人のピアニストで指揮者のマリオ・パーチMario Paci が西洋音楽の父とされています。現代のピアニスト、フー・ツォン(傅聰)も彼に学んだ一人です。パーチ指揮の上海交響楽団でオーボエを吹いていたのが、ロシア人のサリチョフSarichevで、現在の中国のオーボエの原点となる人です。中国語表記では沙利切夫です。ロシアのサンクト・ペテルブルク・バレエでオーボエと指揮を担当していましたが、十月革命で満洲のハルビンに亡命、そこからパーチに呼ばれて上海に渡ったとの事です。(なお、この時代にもう一人のロシア人オーボエ奏者セルゲイ・シュワイコフスキーがおり、後にハルビン交響楽団の指揮者となって日本にも来ますが、葛さんの所には、こちらの名前は記録がないそうです。)また、上海交響楽団(当時は上海工部局管弦楽団など名称の変遷あり)にはイタリア人のジラデッロGiradello という人もいましたが、後に帰国し、サリチョフの方が後まで残ったようです。こうした外国人に師事した中国生れの演奏家が段々と育って行き、陳傳煕(後に指揮者としても著名、門下生多数)や、沙剣麟(演劇から音楽に転向、上海のオーボエ界に大きな影響)などが現代につながる道を拓きました。一方、満洲(溥儀政権)の新京(現・長春)には尹升山、張京山という二人の奏者がおり、中華人民共和国成立後は長春、広州を中心に活動、現在の北京の人脈につながっていると言われています。北京の中央音楽院、中央楽団(セントラル・フィル)には、サリチョフ門下の章棣和、百于、祝盾(ソ連・レニングラード音楽院や京都市立芸大に学び、岩崎勇先生門下)などが主な名前です。
中華人民共和国成立から1960年代頃までは、旧ソヴィエト連邦や東ヨーロッパ諸国との関係が良好で、多くの教師が中国を訪れていますが、1956年に北京に滞在した、東ドイツのウェイ・チェ・シー(魏切希、又は維切希)と表記される演奏家がいたそうです。葛さんもドイツ語の表記の記録がなく、誰の事か分らないとの事でしたが、私の推理では、(東)ベルリン放送交響楽団首席で、日本にも何回も来ているハンス=ヴェルナー・ヴェツィヒHans-Werner Watzig の事ではないかと思います。(ウェ・チ・ヒ?)ところが、60年代末に文化大革命が始まると西洋音楽が制限され、ヨーロッパ人もいなくなってしまい、停滞と後退の時代になります。葛さんがオーボエを始まられた1970年代後半には、まず中国の愛国的な作品だけが演奏許可されており、文化大革命後にも大きな遅れが残ったままになります。というのは、西洋音楽が復活しても、まずオーケストラ曲から必要とされるので、オーボエ独奏のレパートリーは全く忘れられ、知られていない状態のままで10年以上が経過してしまいます。ピアノや弦楽器は、既に戦前からの蓄積が豊かで、80年代に既にチャイコフスキー・コンクールの入賞者も出ていますが、オーボエの学生は、オーケストラの練習の時以外は、ともかくエチュードばかり吹いており、基本的なオーボエ・ソナタなどについては何も知らないままだったのです。80年代末に、すでに上海交響楽団でキャリアをかさねていた葛さんがロンドンに留学した時、最初に感じたのが「これは、やらなければならない事が、恐ろしく沢山あるな!」という事だったそうです。こうして、その後の20年間で時代は大きく変り、現在の中国オーボエ界は、ニューヨーク・フィル(王亮さん)やデンマーク放送交響楽団で活躍する演奏家を輩出するまでになりました。日本、中国(香港、台湾、在外華人も)、韓国などを除くアジアの諸国は、従来はとかく遅れが目立つ事もありましたが、これからの10年間で、状況はまた大きく変って行くのではないでしょうか。詳細は今後に譲るとして、まずは第一報としてアップさせて頂きました。成澤 良一
1971年慶大卒。日本オーボエ協会アマチュア担当理事の傍ら雑誌等に執筆。2008年「パイパーズ」誌に「探訪・日本オーボエ史〜黒船から現代までの群像」を連載。IDRS誌に "A History of Oboe Playing in Japan" を執筆。内外演奏家インタビュー、司会、演奏会企画等も手がける。故・鈴木清三氏に師事。
日本最大規模のダブルリード楽器のイベントです。日本オーボエ協会と日本ファゴット(バスーン)協会の共催で隔年開催しており、今回は日本オーボエ協会が主幹事を務めます。 複数の会場で同時並行して進行する多彩なイベントは、プロの方にもアマチュアの方にもきっとご満足いただけるものと思います。万障お繰り合わせの上ご来場くださいますようご案内申し上げます。会場: 江東区文化センター(地下鉄東西線東陽町駅下車徒歩5分)
イヴェント&コンサート
主会場(ホール) 副会場(視聴覚室) 10:50〜 開会式
11:00〜 オープニングコンサート(指揮・杉浦直基)
C.ドビュッシー「ゴリウォークのケークウォーク」
O.レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア第三組曲よりイタリアーナ」
L.アンダーソン : 「舞踏会の美女」
国立音楽大学ダブルリードアンサンブル
レクチャー『デイリー・エクササイズ』 Fg:山上貴司 フュージョン・リサイタル
スペイン、リベルタンゴ他 Ob:下羽南,Pf:片山未来12:00〜 コンサート
Garota De Ipanema, Samba de uma nota so, Desafinado etc.
Fg:松崎義一郎,Fl:前田有文子,Per:納見義徳座談会『アジアに於けるダブルリード楽器の歴史と展望』
座談会資料(PDF)
司会:成澤良一(「探訪・日本オーボエ史」パイパーズNo.297〜304著者)
ゲスト:葛克迅 Ke-xun Ge(リード製作者・元上海交響楽団首席)
14:00〜 『バロックオーボエとモダンオーボエによる、同一の曲の演奏対比』三宮正満
バロックオーボエの第一人者・三宮正満氏と門下生の方々による実演と解説講演『ダブルリード奏者のミュージシャンハンドについて』
縄田昌司:医療法人抱生会 丸の内病院 整形外科科長(松本市)15:00〜 コンサート
ヤコビ(Carl Jacobi) 序奏、主題と変奏 Op10
大村 哲弥 Stilleben(静物)W
タンスマン J.シュトラウスのワルツによる幻想曲
(オリジナル 2台のピアノのための)(編曲宮本謙二)
Ob:宮本克江、Fg:宮本謙二、Pf:平林知子オーケストラ・スタディー
杉浦直基:Ob(国立音楽大学準教授)
受講生:廣田美柚(高2)、中島恵(国立音大1年生)、舩津深雪(国立音大1年生)16:00〜 「名古屋ダブルリードアンサンブル」コンサート
J.ウィリアムズ オリンピック ファンファーレとテーマ
G.ガブリエリ カンツォーナ第11番
F.メンデルスゾーン 結婚行進曲
I.アルベニス セヴィーリャ
A.ボロディン 中央アジアの草原にて;NDRE style
渡辺岳夫 機動戦士ガンダム
大野雄二 ルパン三世 '80
名フィル首席、山本直人氏率いるユニークな実力派アンサンブル
Ob:山本直人、須田聡子、宮澤 香
Eh:石田 正、須内祐子、小室真美
Fg:桑原真知子、島岡幾代、Cfg:冨士川 健マスタークラス
Fg:ウルリッヒ・ヘルマン17:30〜 コンサート
アンダンテとハンガリー風ロンド(ウェーバー)
ソナタ(サン・サーンス)、ソナチネ(タンスマン)
Fg:ウルリッヒ・ヘルマン,Pf:山口佳代コレクターの方のご提供による「オーボエ属・貴重希少楽器の展示と解説」 18:30〜 コンサート
レチタチーヴ シチリアーノ ロンド(ボザ)
ソナタ ホ短調(テレマン)
グランタンゴ(ピアソラ)
Fg:坪井隆明,Pf:鷲宮美幸(Pf)
バッハ・オーボエとバイオリンのための協奏曲
「鉄腕アトム」テーマ(DR-FESバージョン)
Ob:小宮山美香(群馬交響楽団)、Vn:小宮山孝
19:20〜 全員合奏・閉会式
●協賛各社による楽器の展示・試奏リード、周辺機器、アクセサリーの展示
入場料:一般 2,000円 協会会員 1,000円
追加詳細決定次第、当ホームページに掲載いたします。お問い合わせ:第8回ダブルリード・フェスティバル事務局
TEL: 029-841-1704 FAX: 029-842-7588主催:日本オーボエ協会、日本ファゴット(バスーン)協会
日本オーボエ協会事務局 (田口元信): taguchi@pps-taguchi.com 担当理事 安藤彰男、高橋勇美
主管:日本オーボエ協会
協賛:(株)グローバル、(株) K. Ge Reeds Japan、(株)ダク、(株)美ら音工房ヨ−ゼフ、(株)ドルチェ楽器
TAKEDA BASSOON、日本ダブルリード(株)、ノナカ・ダブルリードギャラリー、ビュッフェ・クランポン(株)
フォックスウインズ(株)、ヤマハ(株)、ヤマハミュージックトレーディング(株) etc.
Sunday, 9th August 2009, 11am-8pm
The 8th Double Reed Festival in Japan on Aug.9,2009
ANNOUNCEMENT
The 8th Double Reed Festival in Japan will be held on August 9,2009 at the Koto Ward Cultutral Center, Tokyo (Subway Toyocho station: station code: T-14) under cooperation of the Japan Oboe Association and the Japan Bassoon Society.
The program including:
Solo Concert: Mme. Mika Komiyama (Gunma Symphony)
Conparative demonstration of playing period and modern instruments: Masamitsu San'nomiya (Bach Collegium Japan)
Nagoya Double Reed Ensemble (Leader: Naoto Yamamoto, Nagoya Philharmonic) Original arrangements of classical and pop tunes
Pop + Fusion World: Minami Shimoba (from Jazz to Viennese Schrammeln)
Bassoon performers: Yoshi-ichiro Matsuzaki, Koji Yamagami etc.
Kunitachi Double Reed Ensemble (conductor: Naoki Sugiura)
Orchestra Studies:Oboe: Naoki Sugiura (Associate professor, Kunitachi College of Music)Symposium "Double Reeds in Asia 〜 past, present and future" Document(PDF)
Bassoon: Ulrich Hermann (Principal, Stuttgart Opera,Germany)
Moderator: Ryoichi Narusawa (sutor of "A History of Oboe Playing in Japan" (The Double Reed 2004 Vol.27 No.4)"Ask the doctor" 〜 on musicians' hand Lecturer: Shoji Nawata, surgeon Instrument makers' and dealers' exhibition
Guest speaker: Ke-xun Ge (former principal, Shanghai Symphony)
For details please ask...
Motonobu Taguchi, Secretry General taguchi@pps-taguchi.com
Akio Ando, Festival Manager andio@a.email.jp
Isami Takahashi, Co-manager
(for details of bassson performances,see Japan Bassoon Society at http://j-bassoon.net/ )
☆受講生・聴講生 受付中☆(御予定は、受講希望の方々の御都合に合わせます。) 当協会在外理事、末政圭志氏が、オーボエの普及のために、中高生、アマチュアを問わず、広く受講生を募り、個人レッスン、グループレッスンをなさいます。オーボエに関する萬相談、更にリードに関しての御相談にも乗って頂けます。昨年は、オーボエの全くの初心者の方のリードのみを使ってのレッスンから、音大受験を目指す高校生、高い技量を備えたアマチュア、外国籍のプロの方々等、広範囲のレベルの方々のレッスンが行われ、末政氏の的確な御指導により、レッスン前後では目を見張る進歩が見られ、受講生の方々からは、大変好評を得ることが出来ました。会場:ドルチェ楽器 管楽器アヴェニュー東京アーティストサロンDolce(新宿駅西口徒歩5分)
講師:末政 圭志 氏 (ブレーマーハーフェン市立歌劇場ソロ奏者)
10時00分〜10時50分 個人レッスン1:受講者1名
受講料・聴講料
11時00分〜11時50分 個人レッスン2:受講者1名
<休憩:70分>
13時00分〜14時00分 グループレッスン1:受講者4名
14時10分〜15時10分 グループレッスン2:受講者4名
個人レッスン:協会会員 5,000円、非会員10,000円
グループレッスン:協会会員 2,000円、非会員3,000円
聴講料:1日:会員 500円、非会員 1,000円、受講生 無料
お問い合わせ:日本オーボエ協会事務局
TEL: 029-841-1704 FAX: 029-842-7588
E-Mail: taguchi@pps-taguchi.com
訃 報
会場:同仁キリスト教会(有楽町線 護国寺駅6番出口より徒歩5分)地図講師
内容
青山聖樹 (NHK交響楽団 首席オーボエ奏者)
20世紀を代表するオーボエ作品の一つであり、コンクールの課題曲としても重要なレパートリーであるこの曲のアナリーゼ(楽曲分析)を、公開レッスンの形で行います。
併せて、この曲の背景となっているギリシャ神話に関して、日本西洋古典学会会員である、日本オーボエ協会理事が解説をいたします。
この作品は、オーボエに携わる全ての方々にとり大変重要なレパートリーでありながら、日本においては、その楽曲分析、そしてこの作品の背景となっているギリシャ神話、並びにそれに基づくオウィディウスの著作に関しての理解が、未だ決して十分とは申せない状況にあります。
今回は、楽曲のアナリーゼに関しては随一の、NHK交響楽団首席奏者 青山聖樹先生を御迎えして、詳しく分析して頂きます。 今回はVol.1として、パン、パエトン、バッコスを取り上げます。受講生
入場料:聴講料 一般:1,000円、JOA会員:500円
1.那須 いづみ(東京藝術大学 3年) パエトン
2.関 美矢子(東京藝術大学 4年) パン
3.金子 亜未(東京藝術大学2年)バッコス
ご予約・お問い合わせ:
日本オーボエ協会事務局 TEL: 029-841-1704 FAX: 029-842-7588 e-mail: taguchi@pps-taguchi.com
日時 : 平成20年11月22日 午後3時から4時
会場 : 京都市立芸術大学内講堂
訃 報
事務局より
会場:日本ダブルリード株式会社JDRサロン(新宿駅西口より徒歩3分)
講師:末政 圭志 氏 (ブレーマーハーフェン市立歌劇場ソロ奏者)
7月12日(土)
10時45分〜11時45分 個人レッスン1:受講者1名
12時30分〜14時 グループレッスン1〈初心者〉:受講者10名
14時〜15時30 グループレッスン2〈中級者〉:受講者10名
15時40分〜16時20分 レクチャー 「完成リードの選び方」
7月13日(日)注)初心者:オーボエを始めたばかりの方 中級者:1年以上の経験があり特にコンクールとは関係のない方
10時45分〜12時15分 グループレッスン3〈コンクール〉:受講者10名
12時50分〜14時20分 グループレッスン4〈オケスタ〉:受講者4名
14時20分〜15時20分 個人レッスン2:受講者1名
15時20分〜16時20分 個人レッスン3:受講者1名
コンクール:コンクール強化練習
注)応募者の御都合により、受講時間の便宜を図らせて頂きますので、下記事務局まで御問い合わせ下さいませ受講料・聴講料:グループレッスン:協会会員 2,000円、非会員3,000円 (協会員の中・高生は1,000円)
お問い合わせ:日本オーボエ協会事務局
個人レッスン:協会会員 7,000円、非会員10,000円
聴講料:1日(レクチャーも含む):会員 500円、非会員 1,000円、受講生 無料
TEL: 029-841-1704 FAX: 029-842-7588
E-Mail: taguchi@pps-taguchi.com
訃 報
日本のオーボエ演奏史上最大の功労者であり、, 日本オーボエ協会名誉理事長である鈴木清三先生が、1月12日午後11時過ぎに 亡くなりました。85歳でした。
通夜 1月14日(月・休) 18:00
告別式 1月15日(火) 10:00
2007年11月3日(土・祝)午後7時 (午後6時30分開場)
会場:公園通りクラシックスドリンク付 1,500円(要予約)
ご予約・問い合わせ:企画・司会:成澤 良一(日本オーボエ協会理事 連載「探訪・日本オーボエ史」(パイパーズ誌)著者)
アドヴァイザー:似鳥 健彦
録音技術:青柳 廣則
運営・進行:溝入 由美子
オーケストラの花形楽器オーボエ。今ではその音色に触れる機会も多くなりましたが、 ピアノやヴァイオリンと違って、過去の巨匠達の業績や奏法・師弟関係などの流れが 必ずしも整理された形で知られてはいません。 今回は、レコード録音の普及した20世紀初頭から約60年間にわたる貴重な音源を 聴きながら、改めてオーボエの多彩な魅力に迫って行きたいと思います。 実際に演奏される方だけでなく、日頃オーケストラ曲を聴く中からオーボエの音に 興味を持って頂いた皆様の、幅広いご来場をお待ちしております。主催:日本オーボエ協会
ダブルリード・フェスティバル in Japan 2007 |
2007.6.3 |
<レポート>
すっかり定着化した感のある2年毎の「ダブルリード・フェスティヴァル」ですが、今年も8月11〜12日に新装成った昭和音大の百合ヶ丘キャンパスで盛大に開かれました。定着と充実期に入った第7回ダブルリード・フェスティヴァル・イン・ジャパン 今回は日本ファゴット(バスーン)協会の主管ということで、ボストン交響楽団副首席を長年に亘って務めたマシュー・ルジェロさんが特別ゲストとして参加、2回の公開レッスンを持たれました。小澤征爾指揮のオーケストラ公演から31年ぶりの来日だそうです。 オーボエの方も大物の演奏が続き、11日のメイン・コンサートは広田智之さん。その後すぐに北海道のセミナー、更にはヴェトナムでの演奏が控えているそうで、強行軍スケジュールの中でプーランク他を聴かせて頂きました。ファゴットの岡本正之さんと組んだ岩代太郎作曲の"Dualism" は、ダブルリードの新たなレパートリーとして定着して行ってほしい曲です。岩代さんの満足そうな笑顔がとても印象的でしたね。 学生の活躍も著しく、東京藝大のオーボエ・デュオ、東京音大、昭和音大、洗足学園音大のダブルリード・アンサンブルなど、出演者の数だけでも大変なものです。(もちろんファゴットのソロやアンサンブル、公開レッスンなども充実したものが沢山ありましたが書き切れません。ファゴット協会のホームページその他を是非ご覧下さい。) 本年度の津山ダブルリード・コンクール第2位の近藤那々子さんのシューマンも光っていました。それから山本直人さん率いる名古屋ダブルリード・アンサンブルの幅広いレパートリー、ヘンデルからアニメまで、これも素晴しい。それからファイナル・コンサートでのオーボエは安原太武郎さん。セントラル愛知交響楽団に入団後、これが東京への凱旋公演で、お父様の代からお付き合いのある身としては感慨もひとしおです。プーランクのオーボエ・ソナタとトリオについては、1日目の広田さん(+岡本正之さん)と2日目の安原さん(+太田茂さん)の聴き比べという贅沢が味わえました。両方とも本当に凄いです。 レッスンの方も「テーマ絞込み型」の充実したもの。市原満さんの、ベートーヴェン三重奏曲を素材とした古典派語法のレッスンは、具体的な奏法と直結した、本を読んだだけでは分らない実践的なもので、目からウロコの方も多かったのではないでしょうか。また2日間連続登場の山本直人さんによるオーケストラ・スタディでも、やはり耳慣れた有名なパッセージの処理が基本的な奏法と密接に繋がって説明されるので、日頃指揮者に言われるよりもずっと(?)説得力のある結果になっていたと思います。 不肖ワタクシメもお時間を拝借して「日本ダブルリードの先駆者達を語る」という講演を受け持たせて頂きましたが、今回はやはり新築音大ならではの音響設備を活用したいと思い、昭和初期からの音源を集めて再生を試みました。若い世代の中にも興味を持って頂いた方があった事が意外でもあり、大いに嬉しい事でした。 例年通りの楽器ブースに、今年は海の向うからの新顔も。中国製ケーンで急速に名を広めている、現在はオーストラリア在住のK-Ge Reedsも家族総出で日本の市場に初登場です。来場者の中にも遠く京都から岩崎勇先生、更に遠いドイツからブレーマーハーフェンの末政圭志さんの姿もあり、東京だけの行事、東京だけの協会から徐々に脱皮して、全国的、国際的な拡がりを持ち始めている事は何よりです。大先輩の吉成行蔵先生から楽器を始めたばかりの高校生までが一堂に会する機会は、本当に貴重なものです。 燃えた二日間の最後は、やはり参加者による大編成のアンサンブル。似鳥健彦先生の指揮、明治の世から歌い継がれている唱歌「ふるさと」の、ダブルリードならではの重厚な響きと共に、第7回を迎えたフェスティヴァルの幕が閉じられました。 日本オーボエ協会理事 成澤 良一
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会場:昭和音楽大学 百合丘キャンパス (小田急線・新百合ヶ丘駅南口下車徒歩4分)
入場料
一日券 一般¥2,000 会員¥1,000
二日間通し券 一般¥3,500(前売り¥3,000) 会員¥1,500 11日【土】 メイン会場 午後1時(13:00)開演 13:30 オーボエ: オープニング演奏(東京藝大学生他) 14:30〜16:00 レクチャー・コンサート(ベートーヴェンのトリオを題材としてのアンサンブル・レクチャーと演奏) (講師:市原 満 受講:昭和音大卒業生・学生 代表:桑永明宏) 16:00〜17:00 ファゴット: 一戸哲社中 17:00〜18:00 名古屋ダブルリードアンサンブル演奏(代表:山本直人) 18:00〜20:00 メインコンサート 広田智之(ob) 岡本正之(fg) サブ会場 13:30〜霧生吉秀(fg) 14:30〜マシュー・ルジェロ(fg 元ボストン交響楽団副主席、元ボストンポップス首席)) 15:30〜菅原 眸(fg) 17:00〜市原 満 (講習会です) 12日【日】 メイン会場10:00 開場 10:30〜12:20 ファゴット演奏 13:00〜15:00 オーボエ:オーケストラ・スタディー(講師:山本直人) 15:00〜17:00 メインコンサート 安原太武郎(ob) 滝本博之 (fg) サブ会場 10:30〜12:00 日本ダブルリードの先駆者を語る 担当:成澤良一 講演資料ダウンロードできます→ WORD版 PDF版 13:00〜マシュー・ルジェロ(fg) (敬称略させていただいております)日本ファゴット(バスーン)協会との共催 詳細決まり次第追加していきます。 |
日本オーボエ協会 平成19年度通常総会並びに懇親会 |
2007.5.1 |
2007年5月20日(日)午後6時開会 タワーホール船堀(江戸川区民ホール)2F桃源の間
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日本オーボエ協会 平成18年度通常総会並びに懇親会 |
2006.9.6 |
2006年9月17日(日)午後6時30分開会 文京シビックセンター最上階 スカイホール 地下鉄・後楽園駅 下車徒歩1分
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ダブルリード・フェスティバル開催 |
2005.9.6更新 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2005年8月28日(日) 場所 聖徳大学(千葉県松戸市) 時間 11:00〜19:00 日本オーボエ協会と日本ファゴット(バスーン)協会の共催
◎メインホール・ホール
◎二号館(随時)
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